☆ ハイパー絶景ツアー in シンガポール ☆
SINGAPORE, OUR CITY IN A GARDEN

第3章 みどりのSFガーデン 〔フラワードーム編〕

◇ 怒りのオームライス ◇

シンガポール2日目、今日は昨夜訪れたガーデンズ・バイ・ザ・ベイを再び見学します。まずは1階の朝食会場で腹ごしらえですが、バイキング形式なのになぜかトレイが無いので、料理を皿に取ったら毎回席に戻らなければならず不便です。しかもどうしよう・・あまり食べたいものがありません。とりあえず鶏スープとか、おかゆとかスパゲッティなど、比較的無難なもので済ませました。


ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを遠くから見ると、スーパーツリー近くの海沿いに大小2つのドームがあります。ドームというより、宮崎駿のアニメ「風の谷のナウシカ」に出て来たオーム(王蟲)を連想させます。2体のオームの正体は巨大な温室で、大きいほうが「フラワードーム」、やや小さくて体高のある方が「クラウドフォレスト」です。シンガポールは北緯1度という文字通り赤道直下の国なので、温室といっても外気温より低く設定されており、現地では冷室(cooled conservatory)と呼ばれています。


View of the sea, iconic Conservatories and Supertree (写真提供/シンガポール政府観光局 様)

ところでオームといえば先日、料理のレシピを検索していたら、「オームライス」というのが出てきました。これは一見普通のオムライスのようですが、卵焼きの部分を畳んだり切り離して重ねることで、オームのヒダ状の体節を表現し、さらに前方に配置されたケチャップやプチトマトが、14個あるオームの赤い目を表しています。オームの目は普段は青いのですが、怒ると赤くなるので、怒りのオームライスというわけですね。ほかにも大量のうずらの卵焼きを目に見たてたものや、無頭エビや焼きそばを使って触手や歩脚を表現したものもあって、そのアイデアに感心させられます。

オームライスのレシピ :[クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが263万品 〕 注:新しいタブが開きます。


◇ フラワードーム ◇

さて、われら一行は昨日と同様バスに乗り、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイへと向かいます。ベイサウスのメインゲートに到着すると、背後にマリーナベイサンズがどーんと建っており、「オレが主役だ!」と言わんばかりです。でも今回キミはあと回し、明日ゆっくりお会いすることにして、まずはビジターセンターでチケットを購入します。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイは基本的に無料ですが、この2つのドームと、OCBCスカイウェイというスーパーツリー同士を結ぶ空中散策路が有料です。


ちなみに昨夜のショーの時から何度も出てくる「OCBC」というのは、シンガポールの地場3大銀行の1つ、オーバーシー・チャイニーズ銀行(Oversea Chinese Banking Corporation)のこと。これだけ名前を出すんだから、スポンサーとしてさぞ多額の出資をしたのでしょうね。

さて、チケットは通常フラワードームとクラウドフォレストが合わせて28ドル、OCBCスカイウェイが8ドルの計36ドルですが、我々は事前にユア・シンガポール・パスポートというクーポンを準備していたので、半額の18ドルで購入できました。園内はとてつもなく広いので、下写真のような音声ガイダンスつきの有料バスツアーもあります。



参加メンバーはいったんここで解散し、我々二人はさっそくフラワードームに入りました。フラワードームの面積は1.2ヘクタールもあり、世界最大のガラス温室として2015年のギネスブックに登録されています。中に入るとひやっとしていてとても快適、室温が23~25℃で湿度は60~80%に保たれており、乾燥亜熱帯地域の涼しい気候を再現しているそうです。将来人類が不毛の惑星に降り立ち、人々が居住できるようなこんなコロニーを造ったら凄いなあ、と想像してしまいます。

館内マップはこちら:Gardens by the Bay 公式サイト(英語) 〕 注:新しいタブが開きます。


フラワードームの内部は気候や植生によって、それぞれ地中海沿岸やカリフォルニア、オーストラリア、南アフリカ、チリ中部などのエリアに分かれています。また、季節によって展示物にさまざまな変化を持たせており、春には日本の桜や神社の鳥居を展示したりすることもあります。我々が訪問した時は、中国の旧正月(春節)の約一週間前だったので、春節を祝う色鮮やかな飾り付けをしていました。


フラワードームとクラウドフォレストには、合わせると実に1,200種以上、94,000もの植物が植えられています。フラワードームには色とりどりの花が咲き、珍しい多肉植物や樹齢1,000年以上のオリーブの木があります。また、ドームの頂上近くには、背の高いバオバブの木が展示されており、さらにドームのガラス窓からは、マリーナベイの海岸近くに建つ、マリーナベイサンズやシンガポールフライヤー(大観覧車)などを一望することができます。


◇ アートふたたび ◇

室内にはいろいろなアート作品もあります。左下写真は、どこまでが木でどこからが本体なのかよく判らないドラゴンのような像。これはイギリスの紋章などにみられるワイバーンという架空の生き物で、頭がドラゴンでコウモリの翼とワシの脚、矢尻のついたヘビの尻尾を持っています。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのiPhoneアプリによると、ワイバーンには自分たちの宝物を守るという伝説があり、この作品も「環境は我々の最高の宝物である」、というメッセージを伝えているそうです。

The Wyvern at the Baobabs La Famille de voyageurs

次にオリーブテラスというエリアに来ると、「何じゃこりゃー!」と叫びたくなるような、シュールなブロンズ像があります(写真右上)。この、胸から下を爆風で吹き飛ばされたような親子は、全世界に向けて反戦メッセージを発信中?・・と思ったらとんでもない。これはガーデンズ・バイ・ザ・ベイを訪れて、素晴らしい思い出とともに帰国する家族を描いているのだそうです(ホントに~?)。作者のフランス人彫刻家ブルーノ・カタラーノ氏は、こういう旅人とか労働者をモチーフとした、体の一部が大きく欠落したような、不思議な作品を数多く発表しています。

Bruno Catalano (site officiel) 〕 公式サイト(フランス語)。注:新しいタブが開きます。


左上写真は、地中海沿岸エリアにあるポーレン(Pollen)というレストランの入口です。ミシュランの星つきシェフが腕をふるう英国料理レストランで、マリーナベイの眺望も抜群。しかも食事の予約をすると、ビジターセンターからのシャトルバスの送迎がつき、フラワードームの入場料が無料になるというから、結構値段もそれなりにするんでしょうね。さて、フラワードームの次は、熱帯地方の山岳気候を再現したという、次なる温室「クラウドフォレスト」に行ってみましょう。



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