☆ ハイパー絶景ツアー in シンガポール ☆
SINGAPORE, OUR CITY IN A GARDEN

第2章 みどりのSFガーデン 〔OCBC ガーデン・ラプソディ編〕

◇ マディソンの肖像とホールドアップ看板 ◇

今回現地で使うために、1万円分をシンガポールドル(S$.)に両替したら116S$.でした。1ドル=86円くらいの計算です。シンガポールの紙幣には、初代大統領のユソフ・ビン・イサーク氏の肖像が印刷され、それぞれ2、5、10、50、100、1,000ドルのほか、一般に流通はしていませんが1万ドル紙幣があるそうです。レイモンド・チャンドラーの小説「長いお別れ」の中で、主人公フィリップ・マーロウが友人から預かった5千ドル紙幣、通称「マディソン大統領の肖像」のさらに上を行く、世界ナンバーワンの高額紙幣です。

 50ドル、10ドル、なぜか2ドル  デイジーさん 撃つけんね!

さて、夕食後は再びガイドのデイジーさんの引率で、次なる目的地ガーデンズ・バイ・ザ・ベイに移動します。ところでバスの車窓から外の風景を眺めていると、たまに写真右上のような看板が立っていてぎょっとします。看板にはマレー語でTEMPAT LARANGAN とか、KAWASAN LARANGANなどと書かれており、銃を突きつけられてホールドアップする人物がシルエットで描かれています。TEMPATやKAWASAN は場所や領域のこと、LARANGANは「禁止」なので、軍や警察機関などの立入禁止区域なのでしょう。マレー語以外にも英語、中国語(簡体字)、タミル語(インドの言語)の計4か国語で、念入りに書かれています。「これだけ警告したけんね、入ったら本当に撃つけんね!」という不動の決意が感じられます。


Night view of the Gardens by the Bay. Photo by Derrick See. (写真提供/シンガポール政府観光局 様)

◇ シティ・イン・ア・ガーデン ◇

2012年6月にオープンした、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ。マリーナ湾を見渡す101ヘクタールもの広大な敷地を持つこの植物園は、ベイサウス、ベイイースト、ベイセントラルという3つの庭園から構成されています。もともとシンガポールは建国当初から「ガーデンシティ」という、都市緑化戦略を推進して来ましたが、21世紀になると、それをさらに進化させた「シティ・イン・ア・ガーデン」、すなわち都市全体を緑の庭園の中に配置する、という国家プロジェクトが提示されます。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイも、マリーナベイサンズなどと同様、このプロジェクトの一環として位置づけられてるそうな。

ベイサウスの地図 マリーナベイサンズ

ここは同園の半分以上の敷地面積を占めるというベイサウス。小さくてわかりづらいけど、左上の地図で言うと真ん中あたりの、赤地に白抜きで「You are here」と書かれたところにいます。徒歩圏内にマリーナベイサンズが建っており、その堂々たる偉容を仰ぐことができます。なお、このベイサウス中心部には、高さ25~50mの「スーパーツリー」という、巨大な人工樹が18本そびえ立っています。今夜はこのスーパーツリーを中心に行われる、約10分間の光と音楽のショー「OCBC ガーデン・ラプソディー」を見に来ました。


◇ マーク・クイン ◇

さて、ショーが始まるまでまだ時間があるので園内を散歩していると、何やら異様なものが目に飛び込んできました。この宙に浮かんだように見える赤ちゃん像は、イギリスの彫刻家マーク・クイン氏の「Planet(惑星)」という作品です。光を投影された全長約9mの赤ちゃん像が、地球という惑星の美しさやはかなさを表現しているというけど、ゲージュツ音痴の我々二人にはさっぱり。



もっともこのマーク・クイン氏はかなりぶっ飛んだ人らしく、何でも自分の頭部を型取りしたものに、採取した自らの血液約4.5リットルを流し込み、冷凍保存させた「self」なる自画像(?)を造ったりする人物。彼にとっては、こんな赤ちゃん像などはまだまだフツーなのかな。

◇ OCBC ガーデン・ラプソディ ◇

ようやくショーが始まりました。スーパーツリーは、昼間はたくさんの植物に覆われて緑が鮮やかですが、夜は派手な光でライトアップされるので、遠くから見るとカサの開いたベニテングタケ(毒キノコの一種)みたいです。それでも音楽に合わせて明滅する姿はとても幻想的で、SF映画の世界に迷い込んだような気分になります。そういえば21世紀の世界に生きる我々は、子どもの頃絵本で見たように銀色の服を着て、こんなキノコみたいなビルに住み、建物同士は透明なパイプで連結されて、その中を車が浮きながら走っているはずではなかったのか・・?


参考:昔の人が考えた未来予想図。ほぼ実現していることもしてないことも。〕 注:新しいタブが開きます。


そんなとりとめもないことを想像していたらあっという間に10分が過ぎ、ショーが終わってしまいました。「もう少し見たかった」くらいがちょうど良いんだろうな、と思いつつ集合場所に戻り、再びガイドのデイジーさんに連れられてホテルに戻ります。ところでデイジーさんは、シンガポール国民の70%以上を占めるという中国系の方で、お祖父さんの代にこちらに移住してきたそうです。彼女の名札には観光案内可能な言語として、English、JapaneseのほかにMandarinとあります、マンダリンって何?


Night shot of MBS with GBTB and the Marina Bay. (写真提供/シンガポール政府観光局 様)

マンドリンは楽器だしマンデリンはコーヒー豆、マンダレーはミャンマーの都市ですね。マンダリンとは北京官話、つまり中国の公用語のことだそうです。かつてポルトガル人が中国の官僚のことをマンダリンと呼んだのが由来で、その官僚が役場で使っていた共通語のことをさらにそう呼ぶようになったのだとか。それにしても今回の研修メンバーは、普段別の仕事をしていて旅行に関しては素人のダンナ河野以外は、そうそうたる旅行のプロたちばかり。デイジーさんも、さぞかしガイドの仕事がやりにくいだろうなあ。



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