翼よあれが巴里の灯だ


月4日(金) 終わらぬ仕事に疲れ果て、徹夜のまま朝を迎えた我々は、どうにか荷物をつめ終わると、福岡空港への道を急いだ。今回は自家用車で行ったので、以前から予約していた駐車場の業者さんに車を渡し、空港へと入った。

国際線ターミナルで我々を出迎えて(というか送り出して)くれたのは、リンドバーグのロッキード・シリウス号の模型だった。1927年、チャールズ・リンドバーグは小型機スピリット・オブ・セントルイス号に乗り、ニューヨーク〜パリ間の大西洋横断無着陸飛行を33時間30分で成功させた。一躍「空の英雄」になった彼はパン・アメリカン航空(PAN AM)の技術顧問となり、航空路の開拓をすることになる。はその一環として、この単葉のロッキード・シリウス号に乗り、北太平洋航路調査旅行に出発した。何と新婚のアン夫人を無線通信士として同行させ、ニューヨークを飛び立ったのである。そしてカナダ、アラスカ、シベリア、千島列島を経て日本に到着し、根室、霞ヶ浦、東京、大阪、福岡を訪れ、地元の人々の大歓迎を受けたそうである。


ころでパンナムといえば、1991年に倒産するまでアメリカを代表する航空会社だった。「兼高かおる世界の旅」や大相撲の表彰式を思い出す人も多いだろう。あの「ヒョ〜ゥ、ショ〜ゥ、ジョゥ」授与の変な外人、デビッド支社長は今どこで何をしているのだろう・・・。

※編集部追記:デービッド・ジョーンズさん(元パンアメリカン航空極東地区広報支配人)は、この旅行記の翌年、2005年2月2日に89歳でお亡くなりになりました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

て、今回のグアム行きで搭乗予定の機は、10:55分発コンチネンタル・ミクロネシア航空916便である。大きな荷物を早く預けたいのだが、受付がまだ始まらないので、しばらく売店などで時間をつぶす。始まってみると荷物検査が異常に厳しい。最近とみに厳しいが、ますます厳しい。何でもスーツケースに鍵をかけて預けると、不審な物が見つかった時などに、係員が鍵を壊して無理やり開けるのだそうだ。だから、スーツケースには鍵をかけず、係員に呼ばれたらすぐに聞こえる場所にいた方が良いそうである。案の定我々の荷物も検査に引っかかってしまった。スーツケースを開けさせられ、「ガラス瓶が入っていませんか?」「スプレー缶が入っていますね?」等々と調べられる。どちらもコロンや日焼止めと判って、「ご協力ありがとうございました」と無罪放免となった。次に福岡銀行へ円を両替しに行った。とりあえずUS$で100ドル分両替したところ、11,290円だった。(2004年6月4日現在。)今はこういう外貨自動両替機があって、すべて機械で出来るので便利である。


々の旅は「さっさ」がモットーなので、さっさとチェックインを済ませ、売店で生ビールとフランクフルトを買ってきた。うまい!フランクフルトは大したことないが、徹夜仕事で疲労のたまった体に、朝の10時に飲む生ビールはまさに五臓六腑にしみわたる。「たまにはいいよね」などと言いながらベンチに座り、先ほど免税店で買って来たワイルド・ターキーをちびりちびりやる。旅のお供はいつもターキーだ。写真のこのビンはプラスチック製で、軽くて割れにくく良いことずくめである。こうして至福の時を過ごした後、機は定刻通り出発した。我々は機内安全の説明なども上の空で、てきぱきと枕と毛布で巣づくりを済ませ、たちまち眠りの世界に入っていった。そして途中、機内食にチキンが出た時以外はすべて眠りこけていたのである

ぶしい日差しと機内アナウンスに目がさめると、窓の外に陸地が見えてきた。滑走路左にはスコール雲があって、もやに包まれているように見える。いよいよグアムに到着だ。


 


 
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