特別企画! THE WAY TO DUBAI
ドバイへの道〜現地渡航編


12章 Wild Wadi 〜アラブの洪水遊園地

漠の国だよね?ここ・・・。ドバイのリゾート地はどこもかしこも水と緑に満ちあふれているので、つい再確認がしたくなります。アル・カサルのプールにいたライフガードの兄ちゃんによると、昨年雨が降ったのはわずか1日だけだったとか(…ホントかどうかわからんけど)。ところがこのワイルド・ワディ」では、毎時5万立方メートルという信じられない量の真水が使われています。世界でも屈指といわれるこのウォーターパーク、広大な敷地と圧倒的なスケール、「プール」のイメージとはほど遠く「河川の氾濫」、もしくは「大雨-洪水-波浪」といった言葉のよく似合うところでした。


荒野の涸れ谷 ◇

ディ(ワジ:wadi)とは、アラビアや北アフリカのような乾燥した地域の涸(か)れ川、涸れ谷のことで、降雨時にのみ水が流れます。ちなみに映画「アラビアのロレンス」の撮影現場となったのが、ヨルダン南部の「ワディ・ラム」と呼ばれる、赤い岩山と砂漠が広がる地帯です。紅海につながる港湾都市「アカバ」から北東に30kmほど行った所にあり、現在は観光名所として人気を集めています。



さて、BAAのエントランスからバギーに乗って橋を渡り、検問所を抜けると、すぐに岩をくり抜いたようなワイルド・ワディの施設が見えてきました当然着替えなどはロッカーに入れるものと思っていたのですが、ロッカーをひとつ借りるのにDhs 20(650円くらい)も取るというので、とりあえずロッカーを1つだけ借り、着替えを終えたら更衣室の外で待ち合わせ、荷物を1つのロッカーに入れるという方法をとりました。ただ一旦入場してしまえば、あとはすべて無料で遊べます。なお場内で買い物や食事をする場合は、まず受付でいくらかのお金を預け、預けた金額の情報が読み込まれたセンサー付きリストウォッチをもらって、これで支払いを代行します。(営業時間、料金等は出発準備編 最終章を参照)

更衣室に入ると細かくカーテンで仕切られていて、個室のように着替えができるようになっていました。「女だから」、「男だから」というのではなく、どちらも宗教的理由で素肌を見せないような配慮をしています。今回はわざわざ休日でない日を選んで来たのに場内は利用客であふれんばかり、人気アトラクションには長蛇の列ができています。


何といっても人気ナンバーワンは、33mの高さから時速80kmで滑り降りる絶叫ウォータースライダーの「ジュメイラ・シーラ(Jumeirah Sceirah)」。高いやぐらに登って順番待ちをするのですが、やぐらが崩れるんじゃないかと思うくらい大勢の人が階段に列を作っています。ライフガードがひとりひとり間隔を置いて滑らせるので、なかなか列が進みません。ジェットコースターにも乗れないニョーボ河野は「絶対やらない!」と宣言していたので、ひとり黙って順番待ちをします。やはり時々落伍者?が出るらしく、滑るのを断念して階段を降りて来る人がいて、少しは列が進みます。1時間近く待たされたでしょうか、やっと順番がまわってきました。ライフガードのお姉さんの指示で、両手を胸の前でエジプトのファラオみたいに交差させ、一気に滑り降ります。「しまったー!」と叫びたくなるほどの凄まじい加速とともに、強烈なマイナスGで体が浮き上がりそうになります。これが左右に少しでもカーブしていたら、たちまち外に放り出されるでしょう。最後は大量の水しぶきとともに派手に着水。頭の中が真っ白なまま、よろよろと立ち上がると、ここにもライフガードのお姉さんがいて助け起こしてくれます。あまり面積の少ない水着でやると脱げてしまうらしいので要注意。


ニョーボ河野はたまたま近くに来て見ていたので、ちょうど滑り降りるところに居合わせていたらしく、よろよろとまろび出たダンナ河野を見て「やっぱりやらない!」と、なぜか大いばりで宣言しています。ここで合流して次は「フローライダース(FlowRiders)」というサーフィン体験に挑戦。毎秒7トンの激流が流れる川が造られていて、そこをボディボードでうまく波に乗るというもの。これは2箇所に同じようなアトラクションがあり、ニョーボ河野が一人でやった時は結構うまくできたそうですが、ダンナ河野は最短記録ではないかと思われるほどあっけなくバランスを崩し、ボードとともにあれよあれよという間に排出されてしまいました。

さて次
は「Juha's Dhow(ユハのダウ船?)」というファミリー向けのところに行きました。ここにはいくつかの子供用滑り台とともに、「ダンピングバケツ」というものがあり、西部劇に出てくるような巨大な樽(たる)がやぐらの上に設置されていて、太いパイプから絶えずどぼどぼと水が注がれています。そして水が一杯になると突然「ししおどし」みたいに樽が手前に倒れてくるのです。あふれ出た大量の水は、スローモーションのようにいったんやぐらの中段に激突して砕け散り、怒涛のように押し寄せてくるというもの。これは大変な人気で、水が最も大量に落ちてくる場所をみんな知っており、上を見上げながら待機しています。ただ単に大量の水を浴びるだけのものなのですが、皆何が楽しいのか、とり憑かれたように何度も集まって来ます。我々もそうは言いながらも実はかなり気に入って、他のアトラクションを楽しみつつ、何度も何度も立ち寄ってはこの洗礼を受けていました。



ところでフツーこういう所って、プールと同じく水着ですよね。もちろん大部分の人は水着なのですが、ここでは街の中と同じようにフツーにアラブ服を着て、フツーに泳いでる人が時々いるのでぎょっとします。女性は例の目だけ、もしくは目鼻口を出した黒いアバヤを身にまとい、男性は頭にゴトラ(頭巾)をかぶった白いカンドーラ姿で子供たちと一緒に水に浸かって遊んでいます。「ダンピングバケツ」の下で水がたまるのを待つ中にも、アバヤを着たお母さんたちが混じっていたので、ニョーボ河野が勇気を出して「あのー、その下は水着を着ているんですか?」と聞いたところ、「やーねー、普段着に決まっているじゃない!」と笑われていました。

次は「マスター・ブラスター(Master Blaster)」。ここでは一人乗りか二人乗りのボートというか浮き輪のようなものに乗るようになっていて、とりあえず内容は良く知らないまま二人乗りの浮き輪に乗って出発しました。通常水というものは「高きところから低きところに」流れるものですが、ここではそのような常識は通用しません。断続的な強いポンプの水圧に押されながら、浮き輪はせまい水路を通って上流?の方に持ち上げられて行きます。たまに下りになるときは道がカーブしていて、加速しながら下りていきます。こうしたことをいく度かくり返してどんどん上の方に登って行き、ニョーボ河野が「これ楽しいね〜」と感想をもらしたその直後、我々を乗せた浮き輪は、あっという間もなく突然現れたトンネルに吸い込まれてしまいました。完全な暗闇の世界に襲われた瞬間、勾配が急にきつくなり猛スピードになりました。目の前が真っ暗な状態で否応なしの急カーブの連続、我々二人は思わず「きゃあー!」とあられもない悲鳴をあげ、「前がつまっていたらどうなるんだろう」と、理屈ではそんなことはないとわかっているようなことを心配しながら流されていきました。


ぜいぜいと荒い息にあえぎながら、今度は安息を求めて「ブレイカーズ・ベイ(Breakers Bay)」という波のあるプールに向かいました。ここは打ち寄せる波に身を任せるというのがコンセプトのようですが、けっこう水深が深く波も1.5mと高いので、近くに置いてあるライフジャケットを身に着けました。1個じゃ足りないのでダンナ河野はもう1個をお腹に抱いてぷかぷかと浮いていましたが、どうにも難破船の乗客が漂流しているといった感じで、いまひとつ平和な心持ちにはなれません。そこで最後に「Juha's Journey」という所に行きました。ここは別名Lazy River(のろい川) といって、360mのゆったりとした川を下るというもの。スリルも何もありませんが、仕事中毒で疲弊したニョーボ河野が熱望する理想形にかなり近いもののようでした。先ほどと同じように二人乗りの浮き輪に乗りますが、今度はただひたすら流されていくだけです。あまり流れが無いので、時々自分でこがないと前に進めないところがあるほどです。また、これと似た「フラッド・リバー(Flood River)」という川では、一か所だけ大量の水が滝のように落ちてくるところがあるので、ここを何回も通り、頭に叩きつけるような水を思う存分浴びました。


ジュメイラビーチ・ホテル ◇

と通り遊び終えたので着替えを済ませ今度は目の前にあるジュメイラビーチ・ホテルに行きました。斬新なデザインを誇る巨大な豪華5つ星ホテル、内装もなかなか凝っています。ドバイ、ビーチリゾートの主役にしてランドマーク的存在。しかしながら、お前は兄弟分のバージュ・アル・アラブがさぞかし憎いことだろうなぁ。天才モーツァルトに嫉妬する宮廷作曲家、アントニオ・サリエリの心境だろうか・・・・。そんなことを疲れた頭でぼんやり考えながらロビーを歩きます。


今日の夕食をどうしようか決めかねていたのでホテルのフロントに相談したところ、ジュメイラビーチ・ホテルのマリーナ先端に造られているレストランが面白そうだということで、とりあえず予約を入れておきました。ただ荷物もあることだし、いったんBAAに戻って一休みすることにします。フロントでバギーを呼んでもらって乗り込むと、あたりはいつの間にか暗くなっています。夜の空気の中で次第に近づいていくBAAは、色とりどりにライティングされ、休みなく夜空にその姿を映し出していくのでした。

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