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☆ 弾丸ツアー in バンコク~世界一な夜景の旅! ☆

第14章 ジム トンプソンの家

ム・トンプソン(James Harrison Wilson Thompson)は、謎に満ちた人物です。1906年生まれのアメリカ人で、建築家を経て陸軍に入隊後、CIAの前身であるOSSという諜報機関に転属します。当時は第二次大戦中で、タイは日本と「日泰攻守同盟条約」を締結し、枢軸国として参戦していました。しかし一方で、OSSの協力により「自由タイ運動」という抗日レジスタンスを組織し、巧みな二面外交で敗戦国としての裁きを免れました。トンプソンは当時、OSSのバンコク市局長でしたが、1945年に日本が降伏するとそのままタイに残りました。その後、タイ・シルク製品の生産や販売により大きな成功を収めますが、1967年にマレーシアの知人宅で忽然と姿を消してしまい、現在に至るまでまったく手掛かりも掴めていません。


Jim Thompson House & Museum, Bangkok

◇ カミカゼ トゥクトゥク ◇

ワット・ポーを出ると、近くにバス乗り場がありました。ところがバスにも停留所にもタイ語しか書かれていないので、どっち方面に行くのかもわかりません。そこでまたしてもトゥクトゥクに乗り、少々距離があるので200Bでジム・トンプソンの家に行くことにしました。ところがこの運転手のおっちゃん、人は良さそうですがものすごく運転が荒いのです。バンコクの道は混んでいるのでスピードを出す余地などなさそうですが、おっちゃんはわずかのスキを見つけると反対車線を猛スピードで突っ走り、対向車が来ると左車線に戻って列に割り込むと言う運転を繰り返します。


それでもタイの人はおおらかなので、怒られることもなく間に入れてくれます。どんどん距離を稼いでいくと、おっちゃんは突然道から外れ、建物の中庭のような所へ入って行きました。「どこへ連れて行かれるんだろう?」と思っていると、中庭を横切って反対の入口から道路に出ました。これはつまり、前方の交差点が右折禁止だったので、他人の敷地内を勝手に通って近道をしたようです。それでもタイの人は優しいので、怒られることもなく、我々を乗せたトゥクトゥクは、まもなくジム・トンプソンの家の正門前に横付けされました。


◇ ジム トンプソン ハウス & ミュージアム ◇

100Bの入場料を払って中に入ると、左手にタイシルクのショップがあり、右手にはレストラン&バーがありました。ショップの前には、15分ごとにBTSの駅まで送迎してくれる電動カートが停まっています。この時点ですでに3時半くらいになっていたので、レストランで遅い昼食をとることにします。レストランの壁にはゴールデン系のエンゼルフィッシュが泳ぐ、3m級の見事な水草レイアウト水槽が埋め込まれています。シンハービールを注文し、ニョーボ河野はタイ風の焼き飯、ダンナ河野は同様に焼きそばを注文しました。焼き飯はけっこういけましたが、焼きそばは甘ったるくて大ハズレ・・。

お約束のビールショット

レストランを出ると、さっそくジム・トンプソンの家を見に行きました。トンプソンは戦後、タイの伝統的なシルクの手織りに着目しますが、当時は機械織りによる大量生産の影響で、産業としては衰退していたそうです。彼は私財を投げ打って、天才的なデザインセンスにより、タイシルクを世界的に広めました。さて、その家はセン・セープ運河沿いの、ジャングルで覆われたようなところに建っています。受付でもらった日本語版の解説によると、タイの古い建築様式を多く取り入れ、チーク材でできた家を6軒取り集めて造られたそうです。現在は博物館になっていて、トンプソン本人が収集した仏教芸術作品などが展示されています。

 〔 THE JIM THOMPSON HOUSE(英語/タイ語) 〕(新しいタブが開きます。)



さっそく中に入ろうとすると、係の人から「今から25分後に約35分間のツアーがあるので、そちらにご参加下さい」と言われました。我々はもう時間もないので、「じゃあツアーじゃなくて良いよ」と言うと、「ツアー以外では家の中に入ることは出来ません」とのこと。せっかくここまで来たのに残念ですが、家の中に入るのはあきらめるしかありません。入場料を返してもらって、ショップへ行きました。


ショップの前には、絹製品の原料となるカイコの繭(まゆ)や、カラフルな絹糸が並べられています。黄繭(おうけん)と呼ばれる黄色い繭もあります。ちなみにカイコ(カイコガ)という昆虫は、約5,000年以上前から完全に家畜化されて来たため、もう野生に戻ることはできないそうです。大型化して筋肉が退化した結果、自力で樹木に登ることや飛ぶことも出来ないとか。


さて、店内に入ると色鮮やかなバッグ、ポーチ、ネクタイ、シャツなどが並んでいます。写真を撮っていると、係のお姉さんから「No Photo」と注意されたので、店内の写真は冒頭の1枚のみ。さすがに最高級ブランドだけあってどれも高価ですが、日本で買うよりはかなりお得な価格設定です。おみやげ用に何か良いのがないか探していると、目のさめるような美しいブルーのロングスカーフがありました。15,000Bと少々値は張りましたが、即決で購入しました。商品を入れる箱や手提げ袋には、伝統的な手法で絹製品を作っている昔のタイの人々の姿が描かれています。

 〔 JIM THOMPSON/The Thai Silk Company Limited(英語) 〕(新しいタブが開きます。)


店を出ると電動のシャトルに乗り、運転手に「この車はサイアム駅に行くか?」と聞くと、「OK、オーケイ!」とテキトーな返事が返ってきました。これは通じてないな、と思っていたら案の定サイアムではなくナショナル・スタジアム駅に到着しました。もともと最寄駅にしか行かない設定なのかもしれません。さて、次なる目的地のウィークエンド・マーケットに行くため、ここからサイアム経由でモーチット駅を目指します。



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